緊急事態宣言が終了し、「日本モデル」が何だったのか?という議論が盛んになっているようだ。私はかねてより、専門家会議尾身茂副座長が繰り返しているように、「クラスター対策、医療体制、国民の行動変容」の三つの領域に特徴がある、と指摘している。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72367
これら三つの領域の活動が横断的に重なって成立しているのが「三密の回避」だ。保健所が積み上げたデータを、専門家層がクラスター分析につなげ、効果的な国民の行動変容を導き出した。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72367
専門家会議委員/クラスター対策班の押谷仁・東北大学教授は、この「日本モデル」の司令塔だろう。雑誌『外交』最新号に掲載されたインタビューは「日本モデル」の最適なガイドになっている。http://www.gaiko-web.jp/test/wp-content/uploads/2020/05/04_Vol.61_P6-11_Infectiousdiseasemeasures.pdf
5月29日に公表された専門家会議の「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」に「補論」として収録された「我が国のクラスター対策について」は、押谷教授の監修と推察されるが、非常によくできている。https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000635389.pdf#search='%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E6%84%9F%E6%9F%93%E7%97%87%E5%AF%BE%E7%AD%96%E3%81%AE%E7%8A%B6%E6%B3%81%E5%88%86%E6%9E%90%E3%83%BB%E6%8F%90%E8%A8%80%E3%80%8D%EF%BC%88%E4%BB%A4%E5%92%8C+2+%E5%B9%B4+5+%E6%9C%88+29+%E6%97%A5%EF%BC%89'
そこでツィッターで外務省の広報費か何かで、せめてこの『補論』だけでも英訳できないものか、とつぶやいたところ、公衆衛生の修士号を持つ英語・日本語堪能だという匿名の方が、訳したものをメールで送ってくれる、という出来事があった。素晴らしいご厚意に感謝!!
私も微調整した翻訳版は、以下のとおりである。今後、海外(在住)の方で、日本のCOVID-19対策にご関心をお持ちの方がいらっしゃったら、使ってほしい。