すごいものを見た。鹿島平和研究所「国力研究会/安全保障外交政策研究会＋有志」というグループが出した、54兆円の費用が見込まれる全国民対象のPCR検査をする「国民運動」の提唱だ。http://www.kazumasaoguro.com/covid-19/?fbclid=IwAR0483hGpNe50Uvr7HlDrsM4Obs6Iqos2KzkM2OeyTuEEs2GBcm9j3w5G1I
「＋有志」としていち早く賛同者に名を連ねている人物の中に、あの渋谷健司氏がいるのは、注目点である（WHP事務局長上級顧問の肩書はここでは使っていないが）。
この渋谷氏が賛同する「国民運動」は、「一日1000万件検査により、全国民が2週間に1回の検査を、半年後までに達成」することを目指すという壮大なものである。
これを実現するのに、54兆3850億円の費用と、3兆円の事務局経費がかかるという。キットが安くなれば費用は下がるといったよくわからない当たり前のことが書いてあるが、勝手に国民の自己負担は36～12万円で国庫負担を下げる、といった試算も書かれている。
厳しい国家財政のために補償も十分に受けられない国民の努力によって、現在の日本の新規感染者数は大きく減少してきている。なぜここで検査のために数十兆円を投入しなければならないのか。理解に苦しむ。その予算は、他のことに振り向けるべきだろう。
今ですら医療崩壊が叫ばれているのに、陽性反応を示した者全員を隔離できないこと火を見るより明らかである。しかも仮に全員隔離が済んだとしても、全世界には400万人以上の新型コロナウイルス感染者がいるのである。どれだけ検査を繰り返しても、感染者が再び現れることは必至である。したがって、54兆円を要する全国民検査を、毎年やらないと安心できない、という状況が生まれるだけだ。
「長期戦」に入っていることを繰り返し説明している日本政府、専門家会議、大阪府、そして緊急事態宣言下で苦闘し続けている国民の努力を真っ向から否定し、毎年毎年54兆円を使えば解決できる、という対案を出すのは、非現実的であるばかりでなく、有害であると思う。
渋谷健司氏が、テレビ・雑誌その他の様々な媒体を通じて、様々な肩書を用いて、日本では数週間前から感染爆発が起こっている、といったことを主張し続けてきたことは知っている。だが、そうだとすれば、渋谷氏は、自ら率先して54兆円プロジェクトにかかわることを画策する前に、自分の主張を学術的に裏付ける根拠を示すべきだ。
「専門家」が根拠不明な主張であっても、巧みに肩書とマスコミを使い分けて、日本国民を恐怖のどん底に落とし込む国民運動を展開しようとしてきた挙句に、自ら率先して巨額予算のプロジェクトの立ち上げを推進するという仕組みは、非常に怪しい雰囲気をもたらす。非常に良くない。これでは国民は不信感しか持てない。
少なくとも、渋谷健司氏が、このプロジェクトに限らず、PCR検査拡大に関わる一切のアドバイザー契約その他の報酬や研究費を伴う資金活動に関わらないことを、一人の納税者として、強く関係各省庁団体に要請する。
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PCR検査をある程度増やして実態を把握すべきというのは、その通りです。しかし、数十兆円を使って全国民を２週間に１回検査には呆れるばかりです。
器具や装置は用意できるかもしれませんが、検査の人的資源を満たすのは不可能と思われます。
そして、PCR検査をすれば感染を防げる訳ではなく、致死率がさほど高くない新型コロナのために、２週間に１回検査をして安心するというのは、馬鹿げています。
私は、この団体の運動にも渋谷氏の主張にも全く賛同しないが、団体のホームページを一読してみると、「精度の高い検査キットの開発普及・低価格化」をまず主張していることが分かる。
篠田氏が特筆大書する54億円というのは、現行のコストを前提にした試算に過ぎず、この団体は54兆円をかけた全国民対象のPCR検査の実施、を主張している訳ではない。篠田氏の言説は、団体に対する憤りが先走り過ぎて、結果的に読者をミスリードするものである。
趣旨は、米国CDCや中国版CDCを真似て日本版CDC設立を、という趣旨であるが、この人物にまかせたら金だけ垂れ流して大混乱になりそうだ。外国の表面的な流行だけ取り入れて、思考や洞察の基軸がしっかりしてない人物のように思われる。こういう人物に国家中枢の機関の企画や運営をまかせてならない。
また、 小黒一正がこの団体の発起人になっている。場違いのように思えるが、「コロナのため50兆円の国債発行が必要で、その借金を返すために消費税を上げよ」と、あのモーニングショーで発言していたとされる。
TV等でちまたの人気ブームを確認するしかできないオジサンたちが、箔をつけるために胡散臭い有名人をかき集めて出来たような団体ではないか。
しかし、「不倶戴天」の敵らしい渋谷健司氏との関連だと、如何にグローバル化の世の中とは言え、渋谷氏が遙か遠隔の地ロンドンから、今回の緊急提言に無視できない影響力を行使しているとも思えない。体制的にも、渋谷氏が主導して実現を目指しているようにはみえない。
発起人の小黒一正氏（法政大教授、元財務総合政策研究所主任研究官。マクロ経済学。京大物理学科卒・素粒子論）は、鹿島平和研究所理事だから措いて、残る一人は、京都大とはいえ、40代の高が准教授の関山健氏（京都大准教授、国際政治学、外務省東アジア第一課メコン班長、財務省財政投融資総括課企画係長）だ。どの程度渋谷氏の悪しき影響力を受けているか、確かめようもないから、篠田さんの論難は肩透かしを食らうだろう。少しは冷静に。
渋谷氏は総勢25人もいる単なる「賛同者」の一人にすぎない。それぞれ、社会的な地位もある毛並みのいい面々をそそのかして今回の「V字回復プロジェクト」立ち上げに暗躍したとも思えない。肩書は、「キングス・カレッジ・ロンドン教授、元東京大教授」だから問題なさそうだ。
賛同者の一人には、篠田さんも知悉している国際政治学者の細谷雄一氏（慶応大教授）も名を連ねているくらいだ。中国近代政治外交史に精通した川島真氏（東京大教授）もいる。
元内閣官房副長官（鳩山由紀夫内閣）の松井孝治氏（慶応大教授）をはじめ、▽田中秀明氏（明治大教授、元財務総合政策研究所総括主任研究官）▽小林慶一郎氏（東京財団政策研究所研究主幹、マクロ経済学、金融論）▽森信茂樹氏（同、元財務総合政策研究所長）▽渡部恒雄氏（笹川平和財団上席研究員、米国現代政治）▽小原凡司氏（同上席研究員、安全保障論）▽島澤諭氏（中部圏社会経済研究所研究部長、元経済企画庁、経済政策論）▽山本秀男氏（中央大教授、元NTTデータ技術開発本部企画部長）▽原岡直幸氏（国際経済交流財団専務理事、元通産省統計課長）▽青木玲子（一橋大名誉教授、産業組織論）▽稲垣誠一氏（元厚労省年金局基金数理室長、経済政策論）▽浜田敏彰氏（関西大客員教授、経済評論家。元税務大学校長）▽朝比奈一郎氏（青山社中株式会社代表CEO、元経産省貿易経済協力局資金協力課長補佐）▽德地秀士氏（政策研究大学院大客員教授、元防衛審議官）▽中里透氏（上智大准教授、財政学）――ら、多くは著名な顔ぶれだ。研究者以外は、経済関係者が目立つ。
他にメディア関係で元『現代ビジネス』編集長の瀬尾傑氏（スローニュース代表取締役）と、選挙年齢引き下げ運動で知られる高橋亮平氏（元千葉県市川市議）、亀井善太郎氏（PHP総研主席研究員、立教大特任教授、元自民党衆院議員＝神奈川16区）らがいる。
神谷万丈氏（防衛大教授、国際政治学、安全保障論）のように私事で不名誉な出来事があった人物も混じっているが（東京高裁で東京都の迷惑防止条例違反で罰金40万円の有罪確定）、問題はなさそうだ。
アドバルーンのようなものだから、無視すればよい。実現の見込みは微塵もない（ἐλάχιστος）。οἴμοι.
Covid19は潜伏期間が長いので、PCR検査の結果は誤差が多いし、検査結果が判明するまでの時間に感染が広がり、新規に感染する場合もあるので、PCR検査でのCovid19の感染状況のリアルタイムの現状把握は無理だなこと、また、PCR検査はあくまでも検査であって、治療でない、ということをマスコミの「PCR検査信者」はよく認識し、渋谷健司氏を教祖とし、岡田晴恵氏を巫女とする「おかしな宗教」をの人々に大きな影響を与える公共の電波を使って布教することを慎むべきだ、と私は思う。
PCR検査多数実施国、渋谷健司さん流に言えば、感染症先進国のドイツでさえ、専門家は、PCR検査の問題点、数字の集計の問題点、解釈の問題点を指摘している、
要するに、あらゆることにいえると思うが、一つのことに特化せず、問題は、総合的に判断して、現実をよくみて、解決すべきなのではないのだろうか。つまり、幼稚園の時に習った、よく見、よく聞き、よく考えよう、なのである。
とにかく、マスコミの人々にお願いしたいことは、よく勉強して、専門家を自称する人、例えば渋谷健司さん、パヨクの理論派のモルモットになっての「反安倍」ではなく、自分たちの責務を自覚してほしい。この一連のマスコミ報道の姿勢が、どれだけ日本の国をゆがめているか、もう少し、自分の職業に責任感をもってほしい。
https://toyokeizai.net/articles/-/349635
私自身、偽陰性も存在することがわかり、多くの新しい発見もあったが、これこそが現場の専門医師による信頼に足る声である。読んでいただき、参考にしていただければ、嬉しい。ワイドショーの報道は、あまりにも、空理空論で次元が低すぎるが、渋谷健司さんたちが、それを媒体にして、世論を作り、行政に影響を与えようとしているのも事実なのである。
そしてそれは、緊急提言が如何に非現実的（οὐκ ὄν）であるだけでなく、時に有害（κακοῦργος）であるという判定とは性質の異なる問題だ。
それはともかく、偏執狂（παράνοια）の老媼が「コロナ狂」（ὁ στέφανος μαίνομαι）らしく目覚めるやいなや錯乱して（ἐξίστασθαι）、発起人や賛同者を指して⇒【彼らが渋谷健司たちに洗脳されている結果】のような、狂気の沙汰としか受け取れない口から出まかせの妄想を逞しくして息巻いている。
いい歳をした老人が真っ当な分別を失って早朝から、世間の集団ヒステリーに乗せられて（πειρᾶσθαι）妄言の限りを尽くしているわけで、同時にお調子者を唆して（προτρέπειν）増幅させる無責任な人間もいるようで、正視に堪えない。
篠田さんは、⇒【「専門家」が…巧みに肩書とマスコミを使い分け…自ら率先して巨額予算のプロジェクトの立ち上げを推進するという仕組みは、非常に怪しい…非常に良くない】と取り越し苦労をしているだけで、渋谷氏の洗脳（πλύειν ἐγκέφαλοῳ）、というか強力な影響力、規制力を具体的に指摘しているわけではない。
せいぜい、⇒【渋谷健司氏が、このプロジェクトに限らず、PCR検査拡大に関わる一切のアドバイザー契約その他の報酬や研究費を伴う資金活動に関わらないことを…関係各省庁団体に要請】程度の話だ。
老媼の誇大妄想（ὑπερβολή）は尽きないようだ。
ともかく、前回7では抜け落ちたが、賛同者に名を連ねたのは医学関係者は唯一、徳田安春氏（群星沖縄臨床研修センター）だけだ。
発起人の二氏を含め多くの賛同者は、マクロ経済学や公共政策学、金融論に加え、税務に詳しい財務省出身の有識者や民間シンクタンクの関係者、安全保障の元実務経験者や研究者などで占められており、感染症対策を経済対策と安全保障の面から是正したいとの意向があるのだろう。
細谷雄一氏や川島真氏のような国際政治学や外交史に精通した研究者の役割はいま一つ分からないが、篠田さんは知遇があるはずで、それほど特段、偏った政治的立場や奇矯な発想のもち主とも思えない。いずれにしても、現政権に対しては、政治的には中立の立場だろう。
そうした背景や個々の人物の経歴、過去の言行などを含め、一切を捨象して、9⇒【テレビというメデイアの洗脳の影響力】があるように思い込んで（δόξασμα）現実と錯覚（παραισθάνομαι）したり、11⇒【渋谷健司氏を教祖とし、岡田晴恵氏を巫女とする「おかしな宗教」…公共の電波を使って布教】のような妄想に自瀆しているのが、ほかならぬ「ドイツ狂」のヴァイツゼッカー宗の巫女（προφῆτις）として布教活動（γέννησις ἔργον）に熱を上げている説教師（εἰσηγητής）、の老媼の方だろう。
新型ウイルスならぬ別種のメディアの毒（φάρμακον）にお頭が冒されて幻覚に惑わされているのも、毒にも薬にもならない独りよがりの（αὐθάδης）長広舌（πακρολογία）＝お勉強の成果に固執して、性懲りもなく夜明けから法螺話に汲々としている偏執狂のゆえだろう。
亭主殿の忠告通り、情報番組など見なければよい。
そうすれば、他人の文章を何のためらいもなく重ねてコピペしてお茶を濁すような怠惰極まる姿勢も革まるだろう。
9②⇒【小黒一正氏（法政大教授、元財務総合政策研究所主任研究官…民間シンクタンクの東京財団関係者】の162文字や、新型ウイルスが、13⇒【陽性とされれば直ちに隔離が法的に規定された…指定感染症に「二類感染症」相当とされたことこそが、日本での感染の爆発的拡大を食い止めた】のような何の意味もない、当人がその意味を何ら理解できていない支離滅裂な主張の枕詞として、《陽性とされれば直ちに隔離…「二類感染症」相当とされ》とそのまま77文字を無断転用する婆さんのクジラの髭並みに強靭な（στερεός）＝狂人並みの（ὡσπερεί ἄνθρωπος μαίνομαι）神経を計りかねる。
結局は莫迦の一つ覚えのように、14⇒【マスコミに登場するジャーナリストは…自分の言っていることが自分でわからない、どうしようもない面々】、15⇒【マスコミの人々…は、よく勉強して、専門家を自称する人、例えば渋谷健司さん、パヨクの理論派のモルモットになっての「反安倍」ではなく、自分たちの責務を自覚】のような、判で押したような陳腐で愚劣なメディア批判に淫するしか能がない。
自分の莫迦さ加減を棚に上げて、一向に自覚していない（ἀγνοέω）人間に限って、碌に内実を知らず外野で喚き散らす。知性の程度と反比例（ἀντιπεπόνθησις）する、世間によくある負け犬（τὸν ἡττώμενον）の遠吠えだから、空しく響くだかだ。
感染症の実態に精通した（χειροτέχνης）人物でも、PCR検査の実情では、現象面での大よその趨勢（φορά＝trend）は掌握できてもそれ以上は、「そうである」（εἶναι）とも、「そうでない」（μὴ εἶναι）言えない道理で、正直な回答だろう。
「そうみえているが、実はそうではないもの」（τὸ φαινόμενον αλλ’ οὐκ ὄν）の本体（οὐσία）について、われわれは何も知らない。われわれが一喜一憂しているものが、仮象（φαίνεσθαι）でないとする根拠を、われわれは依然としてもっていないわけだ。そうした基本的な弱点を捨象した議論は、理性的でも現実的でもない。
不確かな先のことは誰にも分からない。そこで思いつくのがギリシア悲劇のオイディプス（Οἰδιπους）の物語だ。
それは「死すべきもの」（θνητός）としての定め（μαῖρα）を背負った人間が、次々に行われる、よかれと思って為した善意の行為の結果、偶然に翻弄されて、「名高きかの謎を知り、勢い並ぶ者とてなく、その運勢は町人のみな羨み見しところ」（‘ὃς τὰ κλείν᾽ αἰνίγματ᾽ ᾔδει καὶ κράτιστος ἦν ἀνήρ, οὗ τίς οὐ ζήλῳ πολιτῶν ἦν τύχαις ἐπιβλέπων,’; “Οἰδιπους τύραννος”; line 1525～1526）と称された神にも匹敵する知慧のもち主である王をして破滅へと追いやる悲劇だ。
人生は一寸先が闇であって、恐ろしい思いもかけない深淵が、行く手の足下に口を開けて待ち構えているか、誰にも分からない。それを、何ぴとにも見通すことはできない。知慧でも善意でも、人間存在の空しさ、無常を突きつける。
先王殺害の犯人は自分、そして娶った先王の妃は実の母。すべての災厄（συμφορά）の元凶（ὁ ἡγεμών）は自分だと、知力の限りを尽くした究明の結果知る。
かつての夫だった先王の死の真相を知ると同時に、王の死後に嫁いだ夫は運命の悪戯とは言えわが子と知り、狂乱の果てに縊死した妻にして生母イオカステの着衣を飾った、
「黄金の留め金を引き抜いて、われとわが眼窩を奥深く突き刺して、こう言った。おれの不幸、おれの悪業を見るのもこれが最後だ。見てはならぬものを見、おれが知りたいと願っていた人を見分けることができなかったお前らは、今後は暗闇のうちにあるであろう。こう呪いの歌を繰り返しながら、一度ならず、幾たびも手をかざして眼を突いた。」（‘χρυσηλάτους περόνας ἀπ᾽ αὐτῆς, αἷσιν ἐξεστέλλετο, ἄρας ἔπαισεν ἄρθρα τῶν αὑτοῦ κύκλων, αὐδῶν τοιαῦθ᾽, ὁθούνεκ᾽ οὐκ ὄψοιντό νιν οὔθ᾽ οἷ᾽ ἔπασχεν οὔθ᾽ ὁποῖ᾽ ἔδρα κακά, ἀλλ᾽ ἐν σκότῳ τὸ λοιπὸν οὓς μὲν οὐκ ἔδει ὀψοίαθ᾽, οὓς δ᾽ ἔχρῃζεν οὐ γνωσοίατο. τοιαῦτ᾽ ἐφυμνῶν πολλάκις τε κοὐχ ἅπαξ ἤρασσ᾽ ἐπαίρων βλέφαρα.’; Σοφοκλῆς, “Οἰδιπους τύραννος”, line 1268～1276, Sophoclis Fabvlae, recognovit H. Lloyd-Jones et N. G. Wilson, Oxford Classical Texts, 1990＝高津春繁訳『オイディプス王』、人文書院版『ギリシア悲劇全集』第2巻、262頁＝一部表記を変えた）
こうした人生の頂点で訪れる転落への逆転劇をペリペテイア（περιπέτεια＝逆転変）と呼ぶ。
進退極まったオイディプスの嘆きと、それに応じるコロス（Χορός）。
「おおすべては明らかとなったようだな。おお、光よ、これがお前の見おさめだ、生まれるべきではない人から生まれ、交わってはならぬ人と枕を交わし、害すべきでない人の血を流したこのおれの！」
‘ἰοὺ ἰού• τὰ πάντ᾽ ἂν ἐξήκοι σαφῆ.
ὦ φῶς, τελευταῖόν σε προσβλέψαιμι νῦν,
ὅστις πέφασμαι φύς τ᾽ ἀφ᾽ ὧν οὐ χρῆν, ξὺν οἷς τ᾽
οὐ χρῆν ὁμιλῶν, οὕς τέ μ᾽ οὐκ ἔδει κτανών.’（ibid., line 1182～1185）
「おお、人の子の代々、はかなきは命。誰かある、誰かある、幸いを得し者。人みな幻の幸いを得て、得たし後に墜ちゆくのみ。なが定めこそそのためし、なれが、なれが定めこそ。おお幸うすきオイディプス、人の子には寿ぐべきものなべてなし。
…全知の時は、思いの外になれを求め得たり。生む父と生まれる子とが久しくより等しき、おぞましき婚姻を裁きぬ。おお、ライオスが子よ、願わくば、願わくばなれに会わざらましきものを。」
‘ἰὼ γενεαὶ βροτῶν,/ ὡς ὑμᾶς ἴσα καὶ τὸ μη-/ δὲν ζώσας ἐναριθμῶ./ τίς γάρ, τίς ἀνὴρ πλέον/ τᾶς εὐδαιμονίας φέρει/ἢ τοσοῦτον ὅσον δοκεῖν/ καὶ δόξαντ᾽ ἀποκλῖναι;/ τὸν σόν τοι παράδειγμ᾽ ἔχων,/ τὸν σὸν δαίμονα, τὸν σόν, ὦ/ τλᾶμον Οἰδιπόδα, βροτῶν/ οὐδὲν μακαρίζω•
…ἐφηῦρέ σ᾽ ἄκονθ᾽ ὁ πάνθ᾽ ὁρῶν χρόνος,/ δικάζει τ᾽ ἄγαμον γάμον πάλαι/τεκνοῦντα καὶ τεκνούμενον./ ἰώ, Λαΐειον ὦ τέκνον,/ εἴθε σ᾽ εἴθε σε/μήποτ᾽ εἰδόμαν./’（ibid., line 1186～1196, 1213～1218）
人間の運命というのは、そうしたものなのだろう。［完］
どんな言語にせよ、使用されるのは自由ですし、ちゃんと日本語も書いてあり理解の妨げにもならないので、特に非難される謂れはないとは思うのですが、理由が気になるのでお尋ねします。
篠田教授の前の記事でも投稿しましたが、そもそも検査は、重症者の治療を目的とします。一方では、その治療をする医療機関の物的・人的限界の制限もあります。本来入り口で制限してはなりませんが、現実的にはその制限があります。元理研の高橋政代さん（元々眼科医）は、検査の数を増やすためには、オーバーシュートの兆候が見られる場合（有事の場合）に備えて、「医療崩壊」を防ぐために、軽症者の隔離施設をセットで準備しておくべきだ！とのご提言です。いま感染者数・入院患者数・死亡数が低減傾向にあります。
この議論は、感染が低減傾向のいまは、周回遅れの議論であると考えています。次に第三波・第四波に備えて、来るべき次の波のオーバーシュート直前（有事）に備えるための教訓にすべき「経験則」になるとは思います。
お尋ねのギリシア語併記について。
まず、私は西洋古代哲学（実質的には、ヘレニズム、ローマ時代を含めて哲学者はギリシア語がほとんど唯一の共通語でしたので、古代哲学＝ギリシア哲学と称することができます。ただし、この場合は、「ギリシア語による哲学」の意味になりますが、古代哲学の中核はプラトン、アリストテレス、プロティノスの系統ですから実質的に同じことです。しかもギリシア哲学は、哲学の祖とされるターレス（紀元前585年ころ）から、東ローマ皇帝ユスティアヌスの勅令によって529年にアテーナイの哲学学校の閉鎖が命じられるまで、およそ1,100年余に及ぶ長大な歴史があります）の学徒＝研究者ですので、何ごともギリシア語に基づいて、その根源にまで遡って考えるスタイル＝ニーチェの用語を借りれば「反時代的」（unzeitgemäß）、私の表現なら、「滔々たる時流に抗して」という意味で「反時代流的」姿勢を維持しているためです。
次いで、前項と重なりますが、私は人と同じように考えることに何の興味もなく、何の価値も見出しません。共感すら求めません。了解可能な議論を、厳密に論理的に展開する一環として、ギリシア語を添えています。ギリシア語を介した、古代ギリシア人の視点に立つ迂遠な考察も多少は存在理由があると考えている、ということです。
第三に、過去の議論の経過を、歴史的事実に沿って考察する場合、ギリシア語の知識が役立ちます。例えば「衆愚政治」（ὄχλοκρατία＝ochlocracy→オクロクラシー）という言葉があります。ギリシア語で群衆（ὄχλος）と、動詞の支配する（κρατέω）の名詞形（κρατία）の合成語です。現在の西欧諸国語だと、衆愚政治は⇒demagogy, démagogie[仏], demagogìa[伊], demagogia[西]と、ドイツ語（Pöbelherrschaft）を除いてみな同じです。
そうした場合、ギリシア語の出番です。
以上のことから、民衆（δῆμος＝デーモス）と群衆・大衆（ὄχλος）の違いを含め、ものごとを言葉の発祥過程も含め、根本的に考察するにはギリシア語やギリシアの歴史、その後の歴史的考察が不可欠です。
そもそも、プラトンやアリストテレスの時代には、そうした現象はともかく、「衆愚政治」という言葉自体が存在しなかったことを含めて、言葉の由来を知ることは基本です（この言葉が現われるのはヘレニズム期、歴史家のポリュビオスやプルータルコスによってです）。
第四に、私は暇という意味のスコレー（σχολή＝scholē）が余裕という意味を同時にもつギリシア語を珍重しております。どんなに熱心でも、余裕を欠いた単線的議論は危ういし、ものごとを遠くまで、徹底して見通せないものです。近づき過ぎてはよく見えません。距離を置いてこそ、つまり即物的にではなく突き放して眺めることで見えてくる真理もあるということです。
人と同じ、平等ということは、言論の中身に関する限り何の意味ももちません。どうど、自分なりの工夫で、篠田さんにも阿ることなく、自由に投稿下さい。
以上、委曲を尽くしませんが、ご質問への答えに替えます。
恐縮ですが、23の今参局さんのコメント、
勿論、理解できるところもありますが、（罵詈雑言以外の）反時流氏のコメントを楽しんでいます。
色んな情報を頂く方々のコメントもありがたいですが、それらを得て思考を重ねるということにおいて哲学は必須です。
なかなか原本に遡って古典の解釈をしてくださる方にはお目にかかることができません。
篠田氏の意図されたブログコメントになっていないのかもしれませんが、この展開をずっと興味深く拝見しております。
私がこの問題で数々のシュピーゲル誌のドイツ語の記事を訳したのは、解決を模索する上で大事だ、と思う事実を日本のマスコミはまるで報道せず、とにかく、PCR検査の量を増やさなければならない、という一点に焦点をあてている、としか思えない報道ぶりだからである。昨夜も、ニューヨークのクオモ知事がPCR検査を増やすことを決断したことをトップニュースで伝えていたが、Covid19の感染者数も死者数も世界で一番多い都市ニューヨークにはそれが必要かもしれないが、だからといって、日本に必要なのか、という論点、比較検討がまるでぬけているのである。
臨床(患者の治療)のため、感染管理をしたい、疫学調査をしたい、ということしかその目的はないと思うが、まず、治療の為なのなら、特効薬がないから、Covid19であるという確定診断はあまり意味がない。アビガンは、岡田博士が特効薬であるかのように主張されているのにすぎず、現実にはそうではない。特効薬がない中では、重要なのは命をつなぐ治療、肺炎の治療である。
感染管理のためであれば、大量の活性を持ったウイルスの排出を見なければならないが、それを見ていないという意味では限界がある。西村医師に指摘され、今回初めて知ったことであるが、生きているウイルスではなく人に感染させない不活性ウイルスがいても陽性になる。つまり、渋谷健司氏や岡田晴恵氏の主張されるように、PCR検査は感染している、していない、のリトマス試験紙には使えず、使えなければ、九州大学名誉教授の理論も成り立たない。
その上にPCR検査を劇的に増やすことのデメリットは山のようにある。PCR検査の人材養成はそんなに簡単ではなく、無理すれば、今年の冬にもういちど大流行したときに検査が追いつかず「検査崩壊」が起きる可能性もある。また、全自動では技師のミスによる偽陽性がたくさん出るということはなくなるが、感度が高いことによる偽陽性の問題や検体採取の難しさによる偽陰性の問題など、PCRの根本的な問題はまったく解決しない。イムノクロマト法で抗原検査なら簡単で15分でできるという話が出てきた。それでよしとするなら簡単だけれど、実はその感度がPCRに比べたらすごく低い。ほとんど陰性になって、それで済まそうというのは悪魔の誘惑だ、などと言う問題がまるで指摘されない。また、最近の研究、一度抗体ができても、それが長く続く抗体を意味しない、という結果もほとんど考慮されない。
(参考：｢PCR検査せよ｣と叫ぶ人に知って欲しい問題 ウイルス専門の西村秀一医師が現場から発信 大崎 明子 2020/05/12 08:00
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%EF%BD%A2pcr検査せよ%EF%BD%A3と叫ぶ人に知って欲しい問題-ウイルス専門の西村秀一医師が現場から発信/ar-BB13Wfk0 ）
ドイツで亡くなった人の平均年齢は81歳だそうである。
これは、英語で書かれた論文、https://www.wiki.ed.ac.uk/display/Epigroup/COVID-19+project?preview=/442891806/447360858/van%20Bunnik%20et%20al.%20SS%20manuscript%20050520.pdf に体裁されているので、詳しくお知りになりたい方は読んでください。
高齢者の私は、人との交流、音楽のアンサンブルあってこその楽しい人生なので、それがないなら長生きしたくないし、他の病気でつらい思いをして長患いの末死ぬよりも、81歳でコロナでぽっくりいきたい。とにかく、みんながCovid19を撲滅させるためだけに集中するのではなくて、大きな視野からこの問題を考えた方がいいように思う。
現代人の感覚から言えば哲学の「定義」（ὁρισμός）の問題ということになるのだろうが、古代のギリシア人が始めた世界と人間性の根源に関する徹底的な思索の試みとしての哲学が、インドや中国、イスラム圏を含めてその他の類似の試みと異なるのは、単に「哲学」（φιλοσοφία）という言葉の創始者というだけではなく、厳密な論証（ἀπόδειξις）、学問（μάθημα）の基礎を置いたことへの寄与だろう。
禅に学問の推進力になるような知見は皆無に等しい。つまり、哲学は閑人（ὁ σχολῇ）、世捨て人（ἐρῆμος）、拗ね者（ὁ δύσκολος）、不平屋（δύσνους）、人間嫌い（μισάνθρωπος）の寝言に等しい空語とは異なるのである。
言い換えれば、ソフィストの修辞術＝弁論術（ῥητορική）を発展させた争論術（ἐριστική＝問答競技）やプラトンの厳格な概念分類・区分（διαίρεσις）に基づく概念問答法（διαλεκτική）を受けて、アリストテレスがほとんど単独で成し遂げ、厳密な推論規則の定式化である論理学の創案まで行き着く原動力となったのは、ギリシア人が生み出した哲学以外にはない。
特筆すべきは、アリストテレスが同時に記号化を試みたことで、それがエウクレイデス（Εὐκλείδης＝ユークリッド）によって集大成された『幾何学原論』（“Στοιχεῖον”[‘‘Elementa’’]）に象徴される、「定義」（ὅροι＝definitiones）、「公準」＝要請（αἰτήματα＝postulata）、「公理」（ἀξιώματα）＝共通概念（κοιναὶ ἔννοιαι＝communes animi conceptiones）という形で厳密に行われる合理的論証に結実したことだ。
言葉の本来の意味での哲学の正統はギリシア哲学である所以だ。
29③⇒【反氏の場合も、自分の専門知識を武器に…普通の人にはわからないギリシャ語を使い】は、単なる僻み（φθόνος）だろう。僻みは不毛な（ἄπρακτος）感情だ。
29④⇒【ある種のスノッブ、選民意識】というのも、勘違いや時代錯誤が甚だしい老媼特有の判で押したようなステレオタイプな物言いで、肝腎なことを何も知らずに、ソクラテスの「無知の知」（‘μὴ οἶδα οὐδὲ οἴομαι εἰδέναι’＝「知らないことを、知らないと思う」）とか、「産婆術」（μαιευτική）を喋喋する人間のことを、身の程知らずの「俗物」（τὸ πλῆθος）と言うのだろう。
「無知の知」は、無知（ἀμαθία, ἄγνοια）という精神の状態について知る（γνωρίζω）ことではなく、単に「私は知らないから、その通りに、また知らないと思っている」＝‘ὥσπερ οὖν οὐκ οἶδα, οὐδὲ οἴομαι’）という「不知の自覚」を説いたものでしかないことを明らかにするのもまた、ギリシア語による原文テクストの解読だろう。
学問としての哲学も古典学も、それを単なる処世訓（ἐπίγρμμα）や教訓（ἡ διδασκαλία）に程度にしか考えない、「無学な老婆」（ἀμαθής γραῦς）が思い描くようなご気楽なものではないのである。
妬み深い老媼は、わざわざ西独留学までしながら、西洋の学問の背骨になっているギリシア・ローマ文明や学問について、肝腎なことを何も知らない。
全国紙の論壇時評を通算して6年担当するなど旺盛な批評活動で知られ、啓蒙的著作や評論、随筆を数多く残し愛読者も多かったが、教室では時論的な話題に言及することを許さなかった。
ギリシア語が読めない人間の、ソクラテスに関する素人論議を基本的に認めず、一顧だにしなかった。それは別に不世出な世界的プラトン学者の倨傲（χαυνότης）でも何でもない。学問の基本は、ひたすら「本を読むこと」（τὸ ἀναγιγνώσκειν）だからだ。
何のテクストの裏付けもない議論を一切認めなかった。何も知らない篤学の素人には優しかったが、弟子たちには、文字通り鬼のように厳しい師であり、無類の皮肉屋（πικρός）、罪のない毒舌家（κακοῦργος）だった。
その背後には、血の滲むような努力を通して一身でわが国のギリシア哲学研究の屋台骨を背負い、公職追放などで混乱した戦後の京大哲学科の再建にあたる傍ら、日本西洋古典学会を発足させるなど後進の育成に尽力しながら、わが国に最も欠落した西洋哲学の正統を、何とかして哲学研究に根付かせたいという思いと同時に、「賢そうな議論は世の才人たちに任せて、いまはこの基礎作業に傾注しなくてはならない」という切迫した認識があったからだ。
後年、「一冊の書物が、わが国のギリシア哲学研究水準を一挙に世界的な水準までに高めた、文字通り劃期的な、記念碑的な」労作（松永雄二九州大名誉教授）と言わしめた、田中を斯学における国内の第一人者の地位に押し立てたプラトンの中期対話篇『テアイテトス』（1938年）の訳註書がある。
その苦闘を記した田中訳註『テアイテトス』には、西洋古典学の未開地で翻訳にあたる際の困難に加え、優れた翻訳を実現する上での前提条件（ἡνούμνον）が明確に示されている。専門外の小林秀雄をも感激させた一種の学問論だ。
それは、「翻訳の原典については、譯者は多年にわたつて幾度も、異なつた校本によつて全篇を讀み直し、また譯し直した結果、いまは何某の校本によつて譯したといふやうなことを、簡單に言ふことが出來なくなつてしまつた。譯者は寧ろ諸家校本の基底にある、古來の寫本を中心に原文を考へることにしてゐる。」（「凡例」1頁）という言葉で始まる。
「原文の解釋に當たつては、既に今日までの間に、色々な學者によつて幾重にも研究されて來たテアイテトス解釋の全體を基礎にして、その上更に譯者が直接プラトンの原文上に試みつゝあつた解釋を出來るだけ前進させるやうに努めた。言ふまでもなく、プラトン解釋の根幹をなすものは、たゞ正直に原文を精讀するといふことである。その一字一句も剰すことなく、それが全體に於いては何を意味するものであるかを尋ねて、少くとも自己に於いては一點の疑問なきまでに至らんことを期せねばならぬのである。
然しながら、たゞそれだけでは未だ一個の獨斷に止まるからして、甚だ危険である。プラトン研究の如きものにあつては、既に二千年餘の研究の歴史と傳統が存するのであるからして、學者はこれによつて自己の解釋を反省せねばならぬ。」（2頁）
「とはいへ…註釋書を讀むといふことは、原文上に自由な解釋を試みるのとは異なり、餘り樂しいことではないのであつて、時には却って苦痛のこともあるのである。」（引用続く）
ここまでなら、単なる篤実な研究者の言にすぎない。問題はこの後の箇所で、哲学的な研究と、厳密な古典研究が出会う場所について、「舊式なプラトン主義者である（cum Platone malo errare）として嗤はれることをむしろ誇りとする」（『ロゴスとイデア』、340頁）田中の面目が示されていることだ。
「然しこの困惑こそ眞の學問を生むのである。吾々はそこに於いて、果して註釋家の主張が本當であるかどうか、自分の解釋はどの點が間違つてゐるのかなどゝ、色々調べてみなければならなくなるからである。而かも異なる解釋の選擇に當つては、たゞ巧妙な辯論が勝利を得るのではなく、吾々はもう一度プラトンの原文にたち返つて、それを最も難点の少い仕方で説明する解釋をとることゝなるのである。
そしてこのやうな吟味に堪え得ないものは、自分が最初から愛着をもつていた思ひつきであつても、また他の大家の解釋であつても、容赦なくこれを抛擲するのである。そしてこの方法こそは、既に氣附かれた人も少くないであらうが、プラトンが敎へる學問の道なのである。」（3～4頁）
そのうえで、続く「序説」で、「如何なる思ひつきにも執着せず、如何なる通念にも拘束されず、一切の先入見を放下して、たゞ自由な精神を以つて學問探究するがための絶對必要絛件」（「序説」、22頁）を解き明かす。
その鍵、真の哲学者に求められるものが、単なる熱意にとどまらない大らかで自由な精神と余裕だ、と。
「世人が効果のない無駄話として嘲つたソクラテスの談話のうちに却つて眞の學問的精神をみたプラトンは…哲學者はかゝる遊戲を解しなければならぬことを敎へてゐる。無論、かゝる遊戲だけが直ちに哲學なのではないけれども、眞の探求者は、時に結果を忘れて、悠々と探究を樂しみ得るのである。そしてこれは一般に學問の心掛けであるばかりでなく、特にまたプラトンを讀むための大切な心掛けでもある。世の才人がプラトンを理解し得ないのは、始めから純悴な學問的精神を缺いてゐるためか、あるひはその頭腦中に蓄へた無用の雜識を放下し得ないためか、またはその餘裕のない讀書法のためなのである。しかしプラトンの書はかかゝる奴隷人のためではないのである。」（24頁）
人生は思いもかけないことが待ち受けている。明日の幸いは、どんなにあがいてみたところで、学識ある強者でも名もなき市井の匹夫でも、何ぴとにも期し難い。だから、人は生き続けることができるとも言える。
しかし、そうは覚悟してみたところで、ストア派の哲学者のように善悪無記（ἀδιάφορα）の「無感動」（ἀπάθεια）の境地には届かないし、エピクロス流の不動心（ακαταπληξία）や晴朗平安の境地（ἀταραξία）も常人には思いもよらず、禅坊主の生悟りも空しい。そこで生まれるのが、所謂「疎外」（ἀλλοτρίωσις）感情になるのだろう。
36⇒【人との交流、音楽…あってこその楽しい人生…それがないなら長生きしたくないし、他の病気でつらい思いをして長患いの末死ぬよりも…コロナでぽっくりいきたい】というのも、自粛程度で、日頃威勢が良い割には随分弱気になったものだが、空しい思い（κενοδοξία）にすぎない。
頭を冷やすことだ。［完］
国は、現実論としてゼロリスクを目指しているわけではありません。ある程度の感染容認・コロナウイルスと共存は、やむをえません。なぜならGが、２４の中段で適示した検査の目的は、保健所など検査インフラの物的・人的限界及び治療をする医療インフラの物的・人的限界を考慮に入れた現状での検査の目的です。必然的に狭い範囲（重症者治療に特化）にならざるをえません。
検査を拡充するには、元理研の高橋政代さん（元々眼科医）は、”軽症者隔離用施設（軽症状者でも重篤化の事例あり）を準備してからやるべき”と提言しています（「現代ビジネス」の記事）。ただ、検査数を拡充しても今の国の方針のもとで拡充するだけで、無症状者と検査希望者全員が、検査対象となるわけではありません。「全数把握」を目指すわけでありません。この辺誤解なきよう。
世界でも似たようなものです。原英史氏が厚労省のＨＰから、作成した表によりますと、日本は、国民数からすれば検査率０・１７％、多いといわれる欧米でも２・６３～３・４８％、韓国は１・３０％です（２４のURL参照）。上記各機関の物的・人的限界から、とても全数検査はできません。上記の現実的理由から、それを目指す必要もありません。
今度の欧米由来の第二波は、収束傾向にあります（武漢由来が第一波）。瞬間最大風速時（有事）は過ぎました。患者数も減って各機関余裕が出てきました。検査の多寡の議論は、終わったと考えています。次の教訓にすべきです。次に第三波・第四波が来襲したときに、その波のオーバーシュート直前時（つまり有事）に備えて、検査体制（具体的には軽症者隔離施設）充実の準備を、平時から整えておくべきだ！と考えています。備えあれば憂いなしです。
Was das Coronavirus im Körper anrichtet Anatomie eines Killers
コロナウィルスは体でなにを引き起こすか、殺人鬼に対する分析https://www.spiegel.de/wissenschaft/medizin/was-das-coronavirus-im-koerper-anrichtet-anatomie-eines-killers-a-00000000-0002-0001-0000-000170816334 Philip Bethge筆
11.05.2020, 00.09 Uhr
Sars-CoV-2は、当初考えられていたよりもずっと体内でひどく暴れまわる。この病原体の攻撃を受けない体の器官はほとんどない。重症になる人とそうでない人は、どこが違うのだろう。
ウィルスは大変な破壊活動をする。5日で、患者に典型的なCovid19の兆候がみられる。CT画面で肺に恐ろしい曇りが認識されるのである。
「すりガラスのような」とC.Strassburg医師はCTにみえる変化をなずけた。「肺の組織は液体がたっぷりしみ込んだ状況になっている」とボン大学の大学病院の内科教授は述べる。「まるでプデイング」のように分泌物や死んだ細胞が肺胞にくっつく。
「酸素はこの層の為に肺から血管に達しない。」とこの時期によくみられる症状として、医師は語る。原因は新型コロナウィルスである。すでに世界の感染者数は400万人に達し、25万人がすでに亡くなっているので、医師や生物学者はこのウィルスをより深く理解しようとしている。
Sars-CoV-2は、今まで人類が扱ってきたウィルスとはまるで様子が違う。そしていまだに重症者が感染者の何パーセントにあたるかの見解が分かれている。大体５％だと考えられているが、このウィルスは異常な破壊力をもっているのである。
感染の震源はほぼいつも肺である。けれども医師にわかってきたことは、ウィルスは他の器官や組織にも影響を与えるということである。心臓、脳、腎臓、腸。最悪の場合は体全体に。免疫システムが制御できない状況に陥ると、サイトカイン状態となり、患者は死亡する。多臓器不全という形で。
長くなるし、過去のコメントと重複するので、このへんでやめるが、昨日も大相撲の力士が多臓器不全で亡くなっているが、この状況で亡くなったのだろう。原発は肺であっても、重症の人はその後、血管を通ってウィルスが拡散し、体中の臓器が打撃を受ける場合もある。ECMOでなんとかできる、という問題ではないのである。過去のコメントにCovid19のフェーズ４を書いた、がこの記事の知見もそれとあまり変わっていなかった。
4月8日付コメント３，４shinodahideaki.blog.jp/archives/34871520.html#comments
4月11日付のコメント６，７，８shinodahideaki.blog.jp/archives/34893461.html#comments
日本は、武漢からの１波は抑え込み、欧米からの2波も国民の頑張りで収束の兆しにあるのだから、その5４兆円で、次の第３の波に備えて、感染者の隔離施設を整備し、隠れたクラスターを作らないように、クラスター対策を万全にし、リスクグループ、あの力士も糖尿病を患っていた、とあるから、のそのリスクグループを保護し、ワクチンや特効薬の開発に努力し、同時に、このパンデミーが世界規模で収束しなければ、東京オリンピックは開けないのだから、「日本は感染症後進国」と卑下するのではなくて、自信をもって、中国のように、ドイツのように、国際機関、WHOを中心としての国際協力を模索すべきなのではないか、と私は考える。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051201132&g=pol
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/simon/kousei.pdf
Ausbreitung des Coronavirus Die Gefahr der Superspreader コロナウィルスの拡散：スーパースプレッダーの危険
Julia Merlot筆
26.03.2020, 20.24 Uhr
パンデミーの始まりは一つのウィルスの拡散が思いのほか早まることから始まる。コロナウィルスの場合も、多くのいわゆるスーパースプレッダーたちから始まった。
一つのウィルスが拡散しようと考えた時、Ischglのような場所を選ぶだろう。10000以上のベッドがあり、毎年多くの国から人々がスキーをしにやってくる。
つまり通常よりずっと早く感染を拡大できる。通常の3人がIschglでは10人以上の人に感染できる。病院は重症者が一時に大量に運び込まれるために、限界に達する。このコロナパンデミー問題では、多くのスーパースプレッダーの問題が議論されている。Ischgl,サッカー場、パーテイー。まだ感染チェインは正確に記録されていない。けれども、このようにして多くの感染者が出た場合、地域のパンデミーを促進し、このようなスプレッダーによって、パンデミーが世界に早く拡散することになる。通常平均3人に感染させていた人が、10人、それ以上の人を感染させることになるのだから。
ウィルスの天国Ischgl
オーストリアのIschglはヨーロッパ全土のウィルスの中心的な拡散地だとみなされている。だれがIschglにウィルスを持ち込んだのかはわからないが、そこで蔓延したことは疑いがない。最初にIschglに焦点があたったのは、アイスランド当局が2月29日Ischglから戻ったスキー客の１５％に陽性者だった、と発表したことである。3月5日Ischglは危険地域となった。
バーの一人の従業員が一時に15人感染させた。
サービスを提供する人は、スーパースプレッダーになることを宿命づけられている。彼らは訪問客と接触し、グラスを手渡し、握手をし、ハグをし、あいさつ代わりに頬にキスすることもある。そのような人々が感染すると、彼らはウィルスを多くの客に感染させ、ウィルスは驚くほど早く拡散する。
バーキーパーの周り24人が、のちに新型コロナウィルス検査で陽性になった。一人の感染者から25人である。これが、ウィルスの拡散をどれほど早めるか。
それまで、全くいないか、少数しかいなかった地域のコロナ患者の数は特に、Ischgl帰還者によって、はね上がった。ハンブルグ市は今でも、感染者が増大したのは、特にIschglからの多くの旅行者の帰還によってである、と報告している。
そのように考えると、日本の第二波は、気のゆるみではなくて、実は感染が拡大した欧米からの来日、あるいは、帰国者の影響なのではないのだろうか。ダイアモンド・プリンセス号の陽性者があれだけ増えたのも、サービスを提供する人からではないのか？院内感染もそうではないのか、という疑念がわく。その事実を認識した時、東京オリンピックの来年の開催は、疫学上可能なのか、ということもよく考えるべきだと思う。それと共に、日本はこのCovid19の入り口にいる、このパンデミーとの戦いは長期戦になる、日本に非常事態宣言は出てはいるが、現実の日本は世界の他の国々と違って、このCovid19の危険地域、非常事態、パンデミー状態になったことが一度もない、という現実をよく認識すべきだし、第3の波が本物のパンデミーにならないように、本来は備えなければならないのだろうか。
そこには、ある種「涙ぐましい」（οἰκτρός）とも言える、軽率な一知半解（ἡμιπόνηρος）の素人論議（τὸ ιδιωτικόν）が繰り広げられている。49⇒【フィロソフィアとはなにをさすか…フィル愛する、ソフィア智慧という意味で、哲学ではない】は、ギリシアの「フィロソフィアー」（φιλοσοφία）が、動詞「好む」（φιλεῖν）や名詞形（φιλία＝フィリアー）の語幹（φιλο-）と、知恵（σοφία＝ソフィアー）の合成語であることは事実だとしても、それだけで「哲学ではない」とは言えないという短絡、ものごとの一面しかみることができない狂信家特有の奇矯な議論だ。
哲学という対象自体に関する議論と、名称（ὄνομα）に関する議論とを混同するもので、単細胞（ἁπλοῦς）の戯言以外の何ものでもない。せいぜい、翻訳語として元の言葉のニュアンスを生かし切れていないという程度のことで、訳語や呼称の問題と哲学自体の問題とは、自ずから別だ。
笑止にも49②⇒【では、哲学とはなにを意味するのか哲学とはなにを意味するのか】と大見栄を切って、憐むべき無学なりの考証を試みるが、古代ギリシア発祥のフィロソフィアー＝哲学が、何ゆえに他の類似する世界と人間に関する思索の試みとは異なる学問の代表として今日の哲学になったのか、という肝腎の問いが抜け落ちている。
哲学という活動は単なる「名目」（λόγῳ）ではない。西洋では哲学者（φιλόσοφος）の代名詞であり、「万学の祖」（avus omnes scientiae＝padre di tutue le scienze）、「知者たちのマエストロ」（maestro di color che sanno）と称されたアリストテレスが聞いたら、椅子から転げ落ちそうな俗信を撒き散らしている。
「哲学」という翻訳語を考案したのは、蕃書調所（開成所）の教授で江戸時代末期の洋学者西周（周助＝1829～97）で、教科書でも紹介されるありふれた知見だ。ギリシア語の「フィロソフィアー」に由来する現在の欧米諸国語⇒philosophy[英], Philosophie[独], philosophie[仏], filosofìa[伊], filosofía [西]が、現在の「哲学」に置き換えられる過程で、古代シナの古典から着想を得たこともよく知られている。もっとも最初は「哲学」ではなく「希哲学」であって、文久2年（1862）とされる。
従って、49③⇒【明治時代に西周がphilosophiaを訳す時】というのは、端的に無知ゆえの（δι’ ἄγνοιαν）誤謬だ。
西の「日本最初の哲学講義案」（麻生義輝）には、次のようにある。
「ピタゴラスといふ賢人、始めてヒロソヒといふ語を用ひしより創まりて、語の意は賢きことをすき好むといふことなりと聞えたり。此人と同時にソコラテスといへる賢人ありてまた此語を繼ぎ用ひけるが此頃此學をなせる賢人たちは自らをソヒストと名のりけり。語の意は賢哲といふことにて、いと誇りたる稱なりしかば、彼のソコラテスは謙遜してヒロソヒルと名のりけるとぞ。語の意は賢哲を愛する人といふことにて、所謂希賢の意と均しかるべしとおもはる。此ヒロソヒルこそ希哲學開基とも謂ふべき大人にして、彼邦にては吾孔子夫と並べ稱する程なり。」（麻生義輝『近世日本哲學史』、1942年、40頁）
そこではフィロソフィー＝ヒロソヒ⇒哲学、希哲学と、フィロソファー＝ヒロソヒルの二つの言葉に対して、後者ヒロソヒルの意味を「賢哲を愛する人」として、「希賢」と同じような意味だとする。
そこからフィロソフィーについて、「賢」を同じく「賢い、言辞があきらか＝明解」の意味である「哲」（「例えば「先哲」とは昔の賢人の謂い）に読み替えて「希哲学」を充てたのは、自然の流れだと言える（西「東洋の所謂希賢の意に等しい」）。それでも訳語に「希哲学」を充て「希賢学」としなかったのは、「譯字撰擇の苦心が存する」（麻生、44頁）からだという。
「希哲学」がどの段階、つまりいつごろから「希」を捨てて哲学になったかは明確ではないが（西の盟友である津田眞道は明治7年[1874]段階でも「希哲学」としている）、西自身は明治初期（明治3年）に創設された育英舎での講義を基にした、『百學連環』の中で、「哲學論」と題して、その内容を「致知學（＝論理学）、性理學（＝心理学）、理體學（＝存在論）、名敎學（＝倫理学）、政理家哲學（＝政治学）、佳趣論（＝美学）、実利理上哲學（＝実証主義哲学）…」のように、早い段階で哲学にしている。
明治3年の大学規則は「ヒロソヒ」と仮名書き、同10年（1877）創立の東京大学の学科名は「哲学」だ。同14年（1881）刊行の最初の哲学辞典は、文字通り『哲學字彙』となった。
「哲学」は西が創案した、明治期ではなく日本で生まれた和製翻訳語で、シナや朝鮮も逆輸入した。ただ最終的、一般的に「哲学」に定着するまで時間を要した。他の訳語として、いずれも宋学的感覚の「性理學」、内容重視の窮理學、中江兆民のように「理學」（宋学の理気象の説に由来）がしばらくは併存した。
しかも、『続日本紀』は、49④⇒【明らかに中国の古典】ではなく、『日本書紀』に続く『六国史』の二番目、つまり日本の歴史書であって、明らかな誤謬だろう。
なお、哲学用語を離れて一般化している「範疇」、つまりカテゴリーも、ギリシア語由来のカテゴリアー（κατηγορία）の翻訳語として同じ西によって生み出されたもので、『書経』洪範の「洪範九疇」（洪範＝大法、九疇＝九類）からからとられたように、それが近世の知識人の言語観だったからだ。
シナの古典に典拠を求めるなら、基本的に漢和辞典を引けばよい。その程度の基本的な訓練ができていないから無知蒙昧なのだ。
49④⇒【賢くて、物事の通りに通じている人は、別にギリシャ人の哲学者だけではない。ゲーテ…ヴァイツゼッカー…芦田均…松下幸之助…】もどうでもいい俗説で、ただ賢いとか思慮に富む、社会的成功者として経験知やバランスのとれた思考力があるなしという議論と、学問としての哲学は何の関係もない。
老媼が無知なのは、東洋の伝統的文化や古典、仏教についても同様だろう。以前も智慧（prajñā）を仏教由来の言葉として、脈絡を無視してソクラテスの説いた知恵に無理やり重ねる見当違いの議論を展開して錯乱していたが、智（jñānam, ñāṇa）といい慧（paññāṇa）といい、語感だけで他愛もない法螺話を並べる悪癖、虚勢（πρόσχημα）が止む気配はないようだ。
粗雑なお頭に眩暈がする（σκοτοδινιᾶν）。οἴμοι.［完］
眩暈がするような妄説に幻惑された（ἰλιγγἰῶν）か、文意が不明瞭なので、55の6行目以下を以下のように差し替える。
★修正前⇒「それだけで「哲学ではない」とは言えないという短絡、ものごとの一面しかみることができない狂信家特有の奇矯な議論だ。」
☆修正後⇒「それだけで何の論証もなく「哲学ではない」と言い切る短絡的思考は、ものごとの一面しかみることができない狂信家特有の奇矯な議論だ。」
二重に並んだ書架の後ろから目当ての書物を取り出すのが億劫というより、物理的になかなか容易でないからといって、記憶に任せて引用するのも無責任なので前項では遠慮したが、西周の『百學連環』に哲学について、
「Philosophyなる文字のPhiloは希臘のφιλοにして、英のLove 愛なり、又Sophyはσοφίαにして、英の智Wisdomなり。其意は賢なるを愛し希ふの義なり。…ヒロソヒーの意たるは、周茂叔の既に言ひし如く、聖希天、賢希聖、士希賢との意なるが故に、ヒロソヒーの直譯を希賢學となすも亦可なるべし」とあり、哲学の原意を伝えるには希哲学より希賢學の方が実態に即したものとして意識されていたことが分かる。
しかし、当初は適当とされた希賢学が選ばれず希哲学となり、その「希」を取り去って「哲学」となった事情は、先に日本における哲学移入の実証的研究者麻生義輝がいみじくも「譯字撰擇の苦心が存する」とした通り、「希賢学」というある意味親しみやすい言葉が、程朱の学、つまり宋学由来の観念、連想を誘い、それまでの儒学的伝統に近いものだったためにかえって陳腐であり、西洋の新しい学問の訳語には相応しくないと避けたのだろう。
性理学、窮理学、その略称である理学を採らなかったのも、宋儒の言葉に親しんでいた当時の知識層には通りやすいがゆえに、不適当と考えられたからだろう。
そして、「希」を外すことで、一見したところ見当がつきにくい、その座りの悪さが逆に新語としての生命を吹き込むことになる。ラテン語を含め西洋諸国語の哲学もすべて[φιλοσοφία]を音写したもので、自国語との連続性を断ち切り実際のところギリシア語以外では意味をなさない、彼らにとっても哲学は当初は不可解な言葉だったがゆえに、重要な意味をもつに至ったのと同じだ。
今回のコロナ禍でも耳慣れない外国語、とっつきにくい言葉に批判も少なくないが、言葉の生命力はそれを乗り越えるようだ。
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